こんばんは。
新学期もはじまり、元気にお過ごしですか?
今日は、午前中は少しバタバタしましたが、午後は比較的安定していてホッとしています。
久しぶりに、ゆっくり患者さん方とお話ができてよかったです!
いまだに、インフルエンザBの患者さんがおられて、とてもびっくりなのですが、溶連菌はかなり流行していると思います。
ですので、少し病気について知識の整理をしておきましょう!
また、典型症状を示さない方が多いので、流行状況を考慮しながら検査をしっかり考えて行っていくことが重要かと思います。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
A群溶血性レンサ球菌は、上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌としてよくみられる菌で、菌の侵入部位や組織によって多彩な臨床症状を引き起こします。
日常よくみられる疾患として、急性咽頭炎の他、膿痂疹、蜂巣織炎、あるいは特殊な病型として猩紅熱があります。
これら以外にも中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などを起こすことがあります。
また、菌の直接の作用でなく、免疫学的機序を介して、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすことが知られています。
疫 学
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎はいずれの年齢でも起こり得ますが、学童期の小児に最も多く、3歳以下や成人では典型的な臨床像を呈する症例は少ないとされています。
感染症発生動向調査のデータによると、冬季および春から初夏にかけての2 つの報告数のピークが認められています。
通常、患者との接触を介して伝播するため、ヒトとヒトとの接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭、学校などの集団での感染も多く、急性期の感染率については兄弟での間が最も高率で、25%と報告されています。
臨床症状
潜伏期は2~5日で、突然の発熱と全身倦怠感、咽頭痛によって発症し、しばしば嘔吐を伴います。咽頭壁は浮腫状で扁桃は浸出を伴い、軟口蓋の小点状出血あるいは苺舌(写真)がみられることがあります。
猩紅熱の場合、発熱開始後12 ~24 時間すると点状紅斑様、日焼け様の皮疹が出現します
。
合併症として、肺炎、髄膜炎、敗血症などの化膿性疾患、あるいはリウマチ熱、急性糸球体腎炎などの非化膿性疾患を生ずることもあります。
病原診断
咽頭培養により菌を分離することが基本であるが、A 群多糖体抗原を検出する迅速診断キットも利用できます。
迅速診断キットの特異度は一般的に高く、また感度は80%以上です。
治療・予防
治療には抗生剤内服で、少なくとも5~7日間は確実に投与することが必要です。
予防としては、患者との濃厚接触をさけることが最も重要であり、うがい、手洗いなどの一般的な予防法も励行します。
学校保健法での取り扱い
本疾患は適切な抗生剤治療が行われれば、ほとんどの場合24時間以内に他人への伝染を防げる程度に病原菌を抑制できることもあり、登校登園については、流行阻止の目的というよりも患者本人の状態によって判断すべきであると考えられます。
国立感染症研究所感染症情報センター参照