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2011年06月29日

「とびひ」って、どんな病気?

とびひ(伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん))って、どんな病気?

水ぶくれやかさぶたが、体のあちこちに“飛び火”する病気です

とびひは、細菌が皮膚に感染して水ぶくれやかさぶたができ、それが“飛び火”のように体のあちこちに、次々と広がってゆく病気です。乳幼児に多く、汗をかきやすく細菌も増殖しやすい夏に多くみられますが、最近は暖房などの影響で、冬でも見られるようになりました。アトピー性皮膚炎の人は、かき傷があったり、かき傷がなくても肌が乾燥していて菌が入りやすいため、とびひになりやすいです。

なぜおこるのか?
とびひは多くの場合、すり傷や、虫刺され・湿疹・あせもなどをかきむしったところのような、皮膚にできた浅い傷の部分に細菌が入り込み、感染することで症状が起こります。また、アトピー性皮膚炎の患者さんのように、皮膚のバリア機能が低下している場合も感染しやすくなります。

原因となるのは、主に「黄色ブドウ球菌」と「レンサ球菌」という細菌です。黄色ブドウ球菌に感染すると水疱性膿痂疹に、レンサ球菌に感染すると痂皮性膿痂疹になることが多いとされていますが、9割以上は黄色ブドウ球菌によるものです。

黄色ブドウ球菌は、どこにでもある菌の一つで、環境の中にはもちろんのこと、人の鼻の穴や耳の穴、のど、皮膚などにも「常在菌」として住んでいます。健康な肌に対しては何も悪さができませんが、何らかの理由でバリア機能が弱まった肌に入り込むと、そこで菌が増殖し毒素を働かせるため、水疱や膿疱ができるのです。

水疱や膿疱の中の液には、菌や毒素が入っていますから、この液がしみ出たり、破れたりして周りの皮膚に触れると、また新たな水疱や膿疱を作ります。患部をかいた手で他の場所に触れるとそこにも広がっていくので、あっという間に全身に広がります。同じように他の人にも感染します。

夏に流行しやすいのは、汗をかきやすく不潔になりやすいこと、あせもや虫刺されが増えること、高温多湿で菌が増殖しやすいことが原因と考えられます。

なぜ治療が必要か?
とびひは、早いうちに適切な治療を行えば、症状が広がるのを最小限に抑え、短い期間で治すことができますが、放っておいたり誤った処置を行ったりすると、症状が悪化し、なかなか治りません。また、伝染力が強い病気ですから、他の方にうつしてしまうことにもなります。

治療の種類
とびひは細菌が原因の感染症なので、治療は「細菌を退治する」ことが第一になります。

薬は、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌に効く抗菌薬を使います。

症状が軽く、あまり広がっていない時は、抗菌薬の入った塗り薬を塗り、石鹸でよく洗うなど皮膚を清潔に保つだけで治ることもありますが、とびひは文字どおり、いろいろな場所に広がり、塗り薬のみでは治療が間に合わないことがあるため、多くの場合は、塗り薬に加えて、抗菌薬の飲み薬を一緒に服用します。

患部の状態によっては、炎症を抑える薬(ステロイド薬)を使う場合もあります。痒みのひどい時には、痒み止めの薬(抗ヒスタミン薬)を使うこともあります。

いずれの場合も、家ではシャワー浴などで患部をきれいに洗い流し、清潔に保っておくことが非常に大事です。


治療の継続と終わり
とびひの治療は、原因となる菌に合った抗菌薬を使うことが重要ですが、初診の時にはまだ原因菌ははっきりと分かっていません。症状から推測して薬を処方しますので、まず3~4日分が出され、「もう一度来てください」と言われることがあります。

最初に出された薬でなかなか症状が改善しない場合は、薬が菌に合わなかったことが考えられ、それに適した薬を選びなおす必要があります。複数の原因菌が関係していたり、MRSAといわれる、特別な薬が必要な菌である場合もあります。

最初の薬が効かないからといって医院・病院を変えたりせず、状態を詳しく説明して、改善策を練ってもらいましょう。その方がより良い治療ができます。

また、処方された薬は指示された期間、きちんと最後まで飲んだり塗ったりすることがとても大切です。少し症状が良くなったからと勝手に薬の使用をやめると、症状が再燃したり、合併症を起こすことにもなりかねません
              
アステラス参照

このように暑くて蒸し暑い時期はとびひのシーズンです。
子どもたちは、土遊びも大好きですし、皮膚も敏感ですよね。
とびひは、飛び火といわれるようにいっきに広がります。早めに相談してくださいね。
皮膚をきれいに保ち、たのしい夏にしたいものです!

Posted by 大津の町の小児科医 at 08:09 │Comments( 0 )
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